デパ地下で、スーパーで、コンビニで・・・・皆さんが日頃何気なく買われている食品は一体何から作られ、一体どんなものが入っているのでしょうか?・・
とっても身近で意外と知られていない「食品添加物」についてまずはお届けしたいと思います。
1.ハム編
食品添加物をたっぷり使用した加工食品の代表格です。
ハムの原料は豚肉ですが、この肉を水で増量するために、肉用ゼリー液を注入し、組織に均等に行きわたるように機械で揉みこみ、水で薄まってしまった味や弾力や色などを大量の添加物で補い、加熱してゼリーの様に固めたものが現在大量に出回っているハムの正体です。業界では「プリンハム」と呼ばれているそうです。
最近は正しい作り方で作られた無添加のハムを売るスーパーも増えてきた様ですが、値段も高く、見た目も悪いのでまだまだ一般消費者には敬遠されがちなのが現状です。
ハムやソーセージはもともとはそのままでは腐ってしまいやすい生肉を、塩漬けや燻製をすることで保存性を高めた加工食品でしたが、本当の加工には大変手間暇がかかり売値が高価になってしまうため、日本では主に食品添加物を使用し、簡単に短時間で安いものを大量生産するようになったのです。
本物のハムの原材料は「豚肉」「粗塩」「三温糖」「ホワイトペッパー」「ローレル」ぐらいのシンプルなものです。
原材料名の表示を見て、普通の家庭の台所には無いもの(リン酸塩とか発色剤とか)が沢山入っているようなハムは食品添加物たっぷりの即席ハム(プリンハム)と思った方が良いでしょう。
<ハムに使用されている主な食品添加物>
①リン酸塩(Na)
肉の保水性や結着性を高め、食感を良くします。
リン酸塩自体に毒性はあまりないと言われていますが、問題はリンを過剰摂取するとリンがカルシウムと化合してカルシウムの吸収を妨げるため、骨や歯が弱くなる事があります。またカルシウム不足で神経過敏になり、イライラの原因にもなりやすいのでリン酸塩の入っているハムなどの加工食品を食べた時には小魚や牛乳などでカルシウムを補給すると良いでしょう。
②発色剤(亜硝酸Na)
肉に含まれるミオグロビン(肉色素タンパク)に作用し、ハムの色を鮮やかなサーモンピンクに保ちます。微生物の増殖を抑制し、特に食中毒の原因となるボツリヌス菌の繁殖を抑える効果が高いと言われています。
一説には魚などに多く含まれる第2級アミンなどに反応して発ガン物質を生じる可能性もあるそうです。
③増粘多糖類
粘り気(とろみ)を与え、なめらかな食感にします。肉の保水力や結着性を高める機能もあります。
2種類以上の添加物が増粘剤として使用されている場合、物質名は省略されて「増粘多糖類」と一括で表示されます。
④たんぱく質加水分解物
肉にうまみを与えるものです。インスタントラーメンのスープ、カレールー、ミートボール、レトルト食品やスナック菓子などあらゆる加工食品に使用されています。子供の大好きな濃い味になります。
たんぱく質(植物性・動物性)を含む食品を塩酸などで分解して得られるもので、うまみの素となります。
主な成分はアミノ酸とペプチド類。たんぱく質を塩酸で分解加工した場合、発ガン性の疑われている「塩素化合物」が出来てしまう可能性があります。また、野菜や本来の天然のだしの淡泊な味を「おいしい」と思えない、味覚麻痺が起こってしまう危険性もあります。
⑤カゼインNa(ナトリウム)
水と脂肪を乳化させることで、肉の結着性を向上させる働きがあります。
カゼインは「乳たんぱく」とも言い、牛乳や脱脂乳から得られるタンパク質です。そのカゼインにアルカリを加え水溶性にしたものがカゼインNaです。
⑥カルミン酸色素(別名コチニール色素)
明るいピンク色をつける為の着色料。
中南米などのサボテンに寄生する昆虫のエンジ虫の乾燥体から抽出されたものです。天然系食品添加物に分類されていますが、突然変異性(遺伝子に傷をつける作用)があると言われています。
⑦調味料(アミノ酸等)
味付けの補助として使用されます。
調味料には多くの種類があり、複数組み合わせて使用される事が多く、同じ目的のために使用されるのであれば一括表示をして良いと食品衛生法で定められているため、どんなに多くの種類を入れても、「アミノ酸等」の「等」を入れれば一括表示が出来るので加工する側としては大変便利な表示方法です。
最もよく使用されているのはアミノ酸糖類の「グルタミン酸ナトリウム(化学調味料)=独特の強いうまみ」です。
⑧酸化防止剤(ビタミンC)
酸化による変質を防ぎ、風味が落ちるのを防ぎます。また、発色剤の働きを助け、色を安定させる効果もあります。
*参考文献:『食品の裏側』 安部司著 東洋経済新報社
『新・食べるな危険!』 小若純一著 講談社
『AERA 安心・安全を食べたい No.35』 朝日新聞社 果を